『奈良 食べる通信』について、その③
恥の多い人生を送って来ました。
あ、太宰ではなく、オオガケです。
神奈川県横須賀市の出身です。
追浜と書いて「おっぱま」と読む町に生まれ育ちました。
中学校も地名そのまま、「追浜中学校」。
中学生当時、何のテーマかすっかり忘れましたが、作文をえらくほめられて、校内放送で読まれたという恥ずかしい経験があります。
何を書いたのかと言うと、詳しくは忘れましたが、「僕は縁の下の力持ちになりたい」という内容だったと思います。
われながら、渋い。
中学生のくせに、目指すところが地味すぎる。
でもまあ、自分の素質を理解していたというべきか、あるいは、今よりもよっぽど人見知りで、引っ込み思案な自分を正当化しようとしていたのか……。
いずれにせよ、40を過ぎた今でも、自分は前に出ず、裏方仕事が性に合っていると思っているので、中学生のオオガケはいいところをついていたのかも。
話は変わりますが、6年ほど前、一度、前世占いというのを受けたことがあります。
前世のイメージは、次のように説明されました。
「あなたは、巨人です」
まさかの巨人(笑)
「まわりには小さい人がたくさんいて、あなたは、大きな手で畑を耕したり、重い荷物を運んだり、小さい人々の役に立つことをするので、みんなに感謝されています。お返しに農作物をもらって生活し、楽しく共存しています」
乱暴な鬼とかじゃなくて、よかった。
「だから、あなたは現世でも、農業関係で人の役に立つことをしなさい。そうすれば、お金に困らず生活していけます」
これ、奈良に来る直前の話です。
正直、ビビりました。だって、まさにこれから、奈良の農家さんをサポートしていこうというタイミングでしたから。ちょっと、運命を感じましたよね。
というわけで、僕は縁の下の力持ちとして、奈良の生産者さんたちの役に立つことをしなければいけない。
あれ? 本業はライターなはずだけど……。
そこで、『奈良 食べる通信』です。
農家さんの役に立ち、喜ばれること。これが、難しい。
単純にたくさん売ることが必ずしも正解ではないし、よかれと思ってすることが迷惑になることも。
それぞれの農家さんには、別々の悩みがあり、僕らが何をすれば役に立てるのか、じっくり聞いてみないとわかりません。
取材を通して、広く深く話を聞くことで、農家さんの課題が浮き彫りになり、自分にできることが見えてくるかも。僕は、そう考えています。
『奈良 食べる通信』は、作り手と食べ手をつなぐものですが、編集部にとっても、作り手とつながるための大事なツールなのです。
主役は、あくまでも生産者と読者です。
そして、食材をよりおいしく調理し、食べ手に届けるシェフ。
僕は、その間をつなぐ存在として、縁の下の力持ちで有り続けたい。
そういう意味で、『食べる通信』は、自分を生かすことができる舞台であるように感じています。
『奈良 食べる通信』に参加してくれる人が増えるほど、つながりの輪が大きくなっていきます。
「日本農業の危機をなんとかしたい」と思っている方も、
「安全でおいしいものが食べたい」と思っている方も、
入口は何でもいいんです。
最初は小さいかもしれないけれど、きっと大きく広がっていくこの輪に参加してみてほしいのです。
『奈良 食べる通信』のお申し込みは、こちらから。